寝不足が及ぼす心身への悪影響
不眠症は眠れない、寝ても疲れが取れないといった睡眠に満足できていない症状です。
たかが不眠と感じる方も多いと思いますが、睡眠不足になることで身体や精神にも影響を及ぼし、様々な病気リスクを高めてしまいます。
一見関係のなさそうな病気や不調であっても、実は不眠症が関連していることは珍しくありません。
睡眠不足によって引き起こされる恐れのある症状
一時的な眠れないという悩みは生活習慣の見直しによって改善することができますが、慢性的な眠れない症状は心身に多大な影響を与えます。
ここでは、不眠症や寝不足が引き起こす恐れのある症状についてご紹介します。
ストレスが溜まる
睡眠リズムが乱れ、寝不足が続いてしまうとストレスが溜まります。
また、ストレスが溜まると眠ろうとしても交感神経が高ぶっているため、眠ることができずに睡眠が浅くなります。
また、眠らなければならないと思う事自体がストレスとなり、結果的に睡眠時間が短くなります。
なお、慢性的な不眠はストレスを感じやすくなるため、些細なことでもイライラする傾向があります。
こうしたイライラによって機嫌が悪くなると、仕事のパフォーマンスが低下するだけでなく、人間関係に影響を与えてしまうこともあります。
血圧が上がる
人は寝ている間に交感神経を鎮めて血圧が低くなります。
しかし、不眠になると交感神経が高ぶった状態が続き、血圧を調整しているホルモンバランスが乱れます。
その結果、血圧が高くなり、高血圧が発症します。また、眠れないといったストレスによっても血圧が下がりにくくなりますので、悪循環となります。
なお、高血圧は生活習慣病、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全など様々な病気の要因となります。
集中力の欠如
夜間に十分な睡眠が確保できていない場合、日中に強い眠気が生じやすくなります。
いつでも眠れる、仮眠ができる状態であれば問題ありませんが、仕事や勉強がある場合には様々なシーンで悪影響が出てしまう恐れがあります。
集中力・記憶力・認知機能などの低下によるミス、やる気が出ない、頭痛や胃痛などの不調、注意力低下による怪我などが起こり得ます。
特に車の運転や高所で作業をする方は、大事故を起こしてしまう可能性があるため大変危険です。
翌日に疲れが残る
睡眠には脳内の整理、成長ホルモンの分泌など全身の調整を行なう役割があります。
しかし、睡眠不足になるとこうした調整作業が行われなくなり、朝目覚めても心身がスッキリしていないと感じるようになります。
また、睡眠不足で早く布団に入ったり日中長時間昼寝をしたりすると、かえって睡眠の質が低下して倦怠感や疲労感は不眠症が慢性的になるほど強くなる傾向があります。
因果関係がはっきりしない症状
睡眠は脳と体を休ませる働きがありますが、睡眠の質が低下することで体に様々な不調が現れます。
不調の中には科学的根拠がないものも多くありますが、寝不足によって頭痛や肥満が引き起こされることが分かっています。
また、過眠症の場合も不眠症と同様に心身に不調を招くとされているため、適切な睡眠時間を維持することが大切です。